DAY2

DAY2·融合

N.Y.P.D.
一夜開けて、ニューヨーク市警17分署。Ayaがみんなの前に姿をあらわすと、ダニエルが「もっと休んでいればいいのに。」と、Ayaの体を気遣ってくれた。うんうん、昨日はあんなに大変だったんだもん。1日くらい休んだってねえ…。
でも、Ayaは「真相は私しか知らないから。」と一言。そう言われれば、何も言い返せないや。
ダニエルは、メリッサの身辺を洗っておいてくれたらしい。ダニエルによれば、メリッサには親戚も、特に親しい友人もいなく、いつも薬を飲んでいたらしい。また、事件直後、彼女のアパートも全焼して、薬も通っていた病院も不明のままだという。
薬…。そういえば、メリッサの日記に「薬を飲まなくては」と何度も書いてあったっけ…。いったいなんの薬なのだろう?
ニックスや、ワーナーもAyaに質問をしてくる。でも、Ayaの言うことを信じているのかどうか…。
この様子じゃ、どうもAyaの言うことを信じてくれているのは、ダニエル一人だけみたい。ダニエルも…本当に信じてくれているのだろうか?
ダニエルは「ベイカー部長に相談してみろ。」と言ってくれたけど…。
所は変わって部長の部屋。Ayaはダニエルに言われたとおり、ベイカー部長に相談に来た。
ベイカー部長も報告書を読んで信じられないらしいが、とにかく凶悪犯罪なので、事件の解決に全力を尽くすらしい。そのために、Ayaに武器管理部で装備を整えることを許してくれた。
どうやら、ベイカー部長にもらった許可証を見せれば、トーレス主任が力になってくれるらしい。
ベイカー部長に改造許可証をもらい、武器管理部に行くことにした。
武器管理部に行くと、トーレス主任がいない。いるのは、ウェインだけだ。 Ayaがトーレス主任はどこにいったのかと尋ねると、「あのハゲ頭はいないから、ショットガンでもランチャーでもなんでも持っていっていいよ。」という返事が。
おいおい、なんか危ないよ、こいつ。と思っていたらここでトーレス主任が登場。「バカものがあ!」と一言。いきなりびびりまくるウェイン。トーレス主任に一喝されて、おとなしく倉庫管理に戻っていった。
あー、でもよかった。ウェインに改造されたらどうなることやら。トーレス主任は Ayaに武器をくれた上に、その武器の改造までしてくれた。恐い人だけど、いい人みたい。
その後、ウェインに話しかけると、「トーレスには内緒だぞ。」と言って、「ツール」を使った装備のチューンアップ法を教えてくれた。Ayaのアイテムを預かってくれるし、「弾がきれた時のためにクラブを持ち歩いた方がいい」なんてアドバイスもくれたりして。なんだ、ちょっとガンマニアっぽくて信用できないかな、とか思ったけど、意外にいいヤツなんだね。
武器管理部を出て、廊下を歩いていると子供がたたずんでいるのが見えた。なんでこんな所に子供が?と思って近づいていくと、ダニエルが現れた。
どうやらこの男の子は、ダニエルの息子のベンらしい。どうやら、ダニエルと約束していたコンサートが今日で、そのチケットを持ってきたらしい。でも、ダニエルは「事件が忙しいから」と言って断ってしまった。ベンは「…もういいよ!」と言って走り去ってしまった…。
「やっぱり子供には母親が必要なのか」とうなだれるダニエル。そんなダニエルに
「私も子供のころ交通事故で母を失って、父親一人に育てられた。でも、父には感謝しているわ。」
と言って慰めるAya。でも、ベンの母親はまだ生きているらしい。つまり、ダニエルは妻と離婚したのだ。ダニエルはさびしそうにその場を離れていった…。
ふと気が付くと、廊下にはキャシーがいる。キャシーはダニエルが妻のローレンと離婚したこと、「男の子には父親が必要だ」と言って養育権をローレンと争ったこと等を教えてくれた。
そうか、だからさっきあんなことを…。最近ベンとうまくいかなくて自分の主張に自信が持てなくなったのだろうか。
キャシーは、別れ際にベイカー部長が探していたことを教えてくれた。
やばい、早く行かなくちゃ。
急いでベイカー部長の元にいくと、今から記者会見があってそれに参加するように言われる。Ayaが夕べの事件の唯一の生き残りであることはもうテレビ放送ですっかり知れ渡っているらしい。ただ、ベイカー部長は、
「質問は私が答えるから、君は私に聞かれたことだけ答えるように。」と Ayaに告げる。Ayaが疑われるようなことがあってはならないからと言っていたが、ベイカー部長もAyaの報告を信じてないからそんな事を言うのだろうか。まあ、すぐに信じろという方が無理なのだろうが。
Ayaも納得はいかないようだ。
会議室で記者会見が行われた。先ほど告げたとおり、マスコミの質問にはすべてベイカー部長が答えている。しかし、そんなことではマスコミも納得いくはずがない。
Ayaに答えさせろ、という声がどんどん増えていく。ベイカー部長が必死に食い止めようとするが、とうとうAyaがEveが言っていたことをマスコミの前でしゃべってしまう。もちろん騒ぎ出すマスコミたち。
ベイカー部長は無理矢理記者会見を終わりにした。
ベイカー部長の部屋で、Ayaは勝手に発言したことを怒られた。ベイカー部長は
「そんことを言っても、マスコミや市民が混乱するだけだろう!」とカンカンだ。でも、Ayaは事実を言っただけなのに…。ダニエルが Ayaをかばおうとした瞬間、電話が鳴った。
日本人の科学者からだった。発音が悪くてよく分からなかったが、「ミート」何とかといってたらしい。
それを聞いて、Ayaはミトコンドリアのことだと思い、Eveが「ミトコンドリアが解放される日」と言っていたことをみなに話す。
と、ニックスが数日前の新聞に博物館の研究員がミトコンドリアの新説について発表した記事が出ていたことを教えてくれた。
ダニエルとAyaはその研究員に話を聞きに行くことにした。

Museum
博物館に向かう途中、車の中でダニエルが行く先は自然博物館、研究員の名前はハンズ?クランプだということを教えてくれた。クランプ博士の専門は遺伝子関係全般らしく、その筋の権威らしい。
そんな話を聞いているうちに、ダニエルにもう少し気を付けた方がいいと言われてしまった。先ほどの記者会見のことを言ってるらしい。
だったら、ダニエルこそ、同期だったんだから、部長にあそこまで気を使わなくてもいいんじゃないかと反論する。ダニエルは「今は上司さ。」と言って取りつくしまもない。
などと話しているうちにアメリカ自然史博物館についてしまった。しかし、よく考えれば今日は休館日。クランプ博士はいるのだろうか。まあ、聞いてみるしかないのだろうが。
入り口の前に立っている警備員に聞くと、博士は今日も研究をやっているらしい。よかった、無駄足にはならなかったみたいだ。
警備員に中に入れてもらい、先に進もうとすると、「記帳していってくれないか。休みの日の決まりでね。」と言われる。ダニエルにも頼まれたので、Ayaが記帳することに。名前を書いて階段を上っていった。
階段を上っていくと、ある部屋の前でダニエルが待っている。どうやら、あの部屋がクランプ博士の部屋みたいだ。とりあえず扉が開いていたので、中に入ることにした。
中に入ると、クランプ博士と思われる人物が一心不乱にパソコンと向かい合って何事かやっている。Ayaたちが部屋に入ったことなんて、ぜんぜん気づかないみたいだ。ダニエルが大声で名前を呼ぶと、ようやくこっちの方を見てくれた。
「聞こえているよ。さっきから騒々しい。」
ということは、さっきからこっちには気付いていたことになる。これだから博士っていうのは難しい。
しかし、Ayaが「話を伺いたい。」と言っても知らん顔でキーボードを打ち続ける。仕方なく、クランプは博士の背中に向かってAyaは話し始めた。
昨晩起こった事件の手がかりを探していることを話し始めると、やっと博士がこっちを振り向いてくれた。どうやら、じゃまだと思っているらしい。
しかし、博士が振り向いたとたん、Ayaは昨晩から何度か見たあの映像を見ることになる。
ある病院らしき場所のベッドの上に横になる少女と、それを見下ろす医者風の男。しかし、それは今目の前にいる男のようにもみえる。だとすると…?
Ayaが錯乱していると、ダニエルが心配してくれた。でも、今はそんなことを考えている場合じゃない。事件を解決する方が先だ。
ようやくダニエルがミトコンドリアについて聞き始めた。事件の概要をざっと説明した後、話が聞きたいというと、「ミトコンドリアが本当はどういう存在なのか理解していない。」と言われてしまった。
博士が言うには、ミトコンドリアは生物の体内にいながら、独自の遺伝子を持つ存在で、別の生物であるらしい。それを聞いて思わずダニエルが「寄生虫みたいだな」と言うと、博士がいきなり怒り出した。
どうやらその「寄生虫<パラサイト>」という言い方が気に入らなかったらしい。そして、延々とミトコンドリアが生物にとってどれだけ大切な存在なのかを語り始めた。また、ミトコンドリアは電気や熱を生み出すこと…。
熱を生み出すということは、昨日の発火は?
気になって博士に聞いてみると、すべてのミトコンドリアが熱を生み出せば人を燃やすことくらい簡単らしい。
しかし、ミトコンドリアが人間を発火させるなんて信じがたい。ダニエルは「ミトコンドリアは所詮俺達に利用されるだけのものだ。」と博士に反発する。
すると、博士はミトコンドリアの働きについて、また説明を始めた。どうしてもミトコンドリアが人間より優位だということを認めさせたいらしい。
だが、ダニエルもまだ反発する。「ミトコンドリアが自ら意志を持っているわけではないだろう。」と。
すると博士は、ミトコンドリアは我々の10倍の速度で進化しているから、理解できないミトコンドリアが生まれたとしても、それは不思議ではない、と反論した。そう言われれば、ダニエルも返す言葉も無い。
追い討ちをかけるように、クランプがある事実について話し始めた。ミトコンドリアについて研究した学者が発表した説によると、すべての人種はアフリカのたった一人の女性に行き着くという…。
そのルーツを「ミトコンドリア?イヴ」というそうだ。
イヴ?
昨日、犯人がそう名乗ったことは何か関係があるのだろうか。気になって Ayaがそれを話すと、博士は急に不機嫌になり、「帰れ。」と言いだした。もう、どうしようもないみたいだ。仕方ない、帰ろう。
帰りの車の中。Ayaはクランプ博士のことが気になってしょうがなかった。どこかであったことがある…。そんな気がする。
と、その時無線が入った。どうやら、事件に進展があったらしい。これは急いで帰らなくては。

Central Park1
署に帰ると、すぐに会議が始まった。ベイカーの話によると、中止になったはずのメリッサのコンサート会場に多くの観客が集まっているらしい。このままでは昨夜と同じことになってしまう!なんとしてもそれだけは阻止しなくては。
ベイカーの話によると、コンサート会場は「セントラルパークの野外音楽堂」。と、ここで反応したのはダニエル。
「ベンと…ロレーンが行ったコンサートだ!」
ダニエルは、そう叫ぶとすぐに出ていってしまった。
しょうがない、ダニエルをサポートしなくては。Ayaもすぐにダニエルの後を追うことにした。
急いで会場に向かう二人。ただ、ダニエルがセントラルパークに入ろうとした瞬間、ダニエルの右手が激しく燃え出してしまった。慌てて火を消すダニエル。
忘れちゃいけない。人体自然発火現象だ。
それでもなお、中に入ろうとするダニエルをAyaはとどめた。今のところ、発火しないのは Aya だけしかいない。ベンはきっと守ってみせるから…。
セントラルパークの中に入ってしばらく進んでいったが、あたりには動物の影がぜんぜん見えない。出会うものといえば、あの異形な動物たち。
やっぱり、Eve が来ているのだろうか…。
途中の鍵も見つけ、Aya は野外音楽堂目指して進んでいった。
ようやく、近くまでくると道に焼けこげた死体が横たわっていた。これは、 Eve の仕業だ!Aya は急いで野外音楽堂へ足を運んだ。
ホールの中には、すでに多くの観客が集まっていた。そして、ステージの中央には、Eve の姿が!
それにしても、観客は Eve のあの姿を見て、不思議には思わないのだろうか。なぜ、逃げ出そうとはしないのか。誰もが昨夜の事件は知っているはずなのに。
と、その時。
「ようこそ…。我が同胞たち…。」
Aya の到着を待っていたかのように、Eve が喋りだした。Eve は観客たちに演説を始めた。いや、正確には観客のミトコンドリア、にだ。
Eve が「今宵から我々ミトコンドリアが宿主であった核を支配するのだ…!」と言ったとたん、一人の観客の目が、いきなり溶け出した。いや、一人だけではない。ホールにいた観客全員が溶け出し、一つの巨大なスライムのように溶け出してしまった。
そうだ、見てる場合ではない。Eve を止めなくては!
Aya はステージのほうに回ることにした。
いったんホールの外に出ると、入り口近くにいつも夢で見ている女の子がいる。彼女についていくと、ステージに行くことができた。
Eve に向かって銃口を向ける Aya。しかし、Eve に動じる様子はない。Ayaに
「遅かったな…。」と言ってどこかに行ってしまった。
逃がすわけにはいかない。Aya は Eve の後を追いかけた。

Central Park2
さっき見かけた焼死死体の横を何かが駆け抜けるのが見えた。Eve はあっちなのか? Aya は急いで追いかけた。
大きな建物がある。でも、中には入れないみたいなので、その横を抜け、さらに進むと林みたいな場所に出た。道に沿って進むと、Aya がいつも夢(?)で見る女の子が走っているのが見える。
どこに行くのだろう?そう思いつつも Aya は女の子の後を追いかけることにした。
後を追いかけていくと、とりあえず林からは抜けることができた。敵は相変わらずたくさんでてくるけれど。
橋を渡り、噴水のある場所へ。建物の中を通って進んでいくと、開けた場所に出た。そこで、いきなり4匹の大ミミズにおそわれる。
なかなか手強かった。でも、こんなに強い敵がいるということは、近くに Eve がいるということだ。
それにしても、倒せば倒すほど大きくなるとは、一体どういう体の構造をしてたんだろう、あのミミズたちは。
案の定、ミミズを倒して進んでいくと、Eve がいた。馬車の上に浮かんでいる。 Aya がなぜ、観客たちにあんなことをしたのかと問いただしたら、Eva は
「知りたかったら、乗るがよい。私もおまえに聞きたいことがある。」
と言った。
何かあるには違いない、とは思ったがどうせ乗らなきゃ何も教えてくれないんだろうと思って、素直に馬車に乗ることにした。
と、いきなり馬が燃え出し、驚いた馬がすごい勢いで走り出した。 Eve の仕業だ。
狂ったように走る馬車の上で、Eve は Aya に問いただす。
「なぜ、人間の側につくのか。」
と。なんで、こんな質問をするのか Aya には分からなかった。自分は人間だ。だから当たり前じゃないか。Aya はそう思った。
だが、Eve は「私よりも、赤の他人の方につくのか。」と言う。
そういわれて、Aya は戸惑った。
赤の他人…?もし、Eve の言うことが正しいのならば、Aya と Eve は血がつながっているということになる。
そうしているうちに、いつのまにか Eve との戦闘に。Eve は自在に空を飛ぶのでなかなかねらいが定まらなかったが、Aya はなんとか Eve にある程度のダメージを与えることができた。
「どうやら、おまえは、まだ私が誰か気づいていないようだな…。」
いきなり、Eve が言った。と言うことは、やはりさっき Eve が言ったことは本当だったのか。
Eve は「おまえが覚えてなくても、ミトコンドリアが覚えている。直接おまえのミトコンドリアに教えてやろう。」と、そういうと、Aya の体に触れた。
「おまえは覚えてなくても、ミトコンドリアは覚えているはず。おまえと私はもとは…」
と、その時。とうとう馬が耐え切れなくなったのか、馬車が暴走し、Aya は馬車ごと壁に叩き付けられた。それを Eve は側で見ていた…。

Central Park3
また、あの夢だ。あの女の子がベッドに横たわり、それを見下ろす医者風の男。
ベッドに横たわる女の子は…2人?
セントラルパークの前。ダニエルは Aya の帰りを待っている。そこに走ってきたのは、Aya ではなく、ベン。ベンの無事な姿を見て、ほっとするダニエル。しかし、ベンの話ではロレーンが変になってしまったらしい。ステージに近づくと気持ち悪くなったベンが、ロレーンに「帰りたい。」と言っても、ロレーンじゃないみたいにステージに行ってしまったらしい。
ほかの観客も。
一方、17分署。部長のベイカーが被害を拡大させないために、市民を全員マンハッタン島の外に非難させると言っている。
そこにダニエルが飛び込んできた。Aya からの連絡がないか、とても気にしている。しかし、Aya からの連絡はもちろんない。ダニエルは「Aya を探す。」と言ってまた飛び出していった。
17分署の廊下で。キャシーに連れられたベンと、ダニエル。ダニエルはベンに「Aya を探してくる。」と告げて、そのまま立ち去った。
少しさびしそうなベン。そんなベンに、キャシーは
「ベンの好きな犬を見せてあげる。」
と慰めの言葉をかけた。
警察犬のシーバに気に入られて、ベンは少し元気になったようだった。
ニューヨークは避難令が出て、大パニックだった。道路は車であふれ、あちこちで事故が起きる。あんなににぎやかだったニューヨークの街は、一気にさびれてしまった。
ニューヨークの一角で。警官と日本人らしき男がもめている。警官は「閉鎖中だから入れるわけにはいかない。」男は、「連絡はしてある。」とおさまる様子もない。
と、ここで。あまりに興奮した警察官の一人が、いきなり激しく燃え出した!おたおたする警官たち。男は「今のうち」と言って閉鎖中のニューヨークの街に入っていった。
そして、またあの夢。どこかの病院の廊下。受付。入り口。そんなものを次々に見せられる。不思議に思っていると、いきなり画面が真っ赤になった。
目覚めると、どこかの部屋の中。たき火が燃え、知らない男が座っている。さっき警官ともめてた男だが、もちろん Aya はそんなことは知らない。 Aya が目覚めたのに気がつき、男が Aya に声をかける。
男の名は「クニヒコ?マエダ」。日本の科学者らしい。
「そいつが、おまえを見つけたんだぜ。」
そう言って、ダニエルも部屋に入ってきた。おもわず Eve や、セントラルパークの人々の行方を聞くが、ダニエルの答えは「ベンは無事だが、観客全員消えてしまった」というものだった。
ここで前田が話に入ってきた。「燃えた」のではなく、「消えた」ということが気になるらしい。Aya が説明をすると、
「日本では…見られなかった現象だ…。」と気になる発言を。
興味を示した Aya たちに、前田は日本でおきた事件を話し始めた。
ことの発端は、ある科学者夫人の自動車事故。
夫人を生かしつづけようと科学者は彼女の肝細胞を培養したこと。
科学者はその細胞に Eve と名づけたこと。
肝細胞は増殖し、ミトコンドリアが支配する肉体となったこと。
科学者の精子を得た彼女は、完全なミトコンドリアを誕生させようとしたこと。
肝細胞から増殖した Eve には肉体を維持することができなかったらしい。
それで、夫人を事故死させる前に、臓器移植バンクに登録しておいた…。
その結果、彼女の腎臓はある少女に移植され、その少女に受精卵を植え付け、完全体を出産させた。
前田は、この事件に興味を持ち、いろいろ研究していたらしい。そこで、この事件を知り、はるばる日本からやってきたそうだ。
一通りの話が終わったあと、Aya は突然、
「わたしも…ばけものかもしれない。」
と言い出した。もしかしたら、ダニエルたちを殺してしまうかもしれない、と。混乱した Aya はダニエルたちに「私と一緒にいないで。」と告げる。
Aya に言われて、前田が部屋から出ていく。しかし、ダニエルは出て行かない。そんなダニエルに、Aya は「わたしがばけものでも、あなたを殺したくない。」と言う。
ダニエルは、「おまえはばけものじゃなく、俺の相棒だ。」と言って部屋を出ていった。
ダニエルが部屋を出ていった後、Aya はひとつのことを考えていた。
あの時、Eve が Aya を触った、あの感じは…Maya?
でも、Maya は、母といっしょに事故で死んだはずなのに…。

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