DAY6

DAY6·進化

Carrier
無事に帰ってきた Aya のもとに、ダニエルと前田がかけよった。2人とも喜んでくれている。ダニエルはどうして Eve がわざわざ自由の女神のもとで完全体を産もうとしたのかが、気になる様子。そんなダニエルに前田は、
「生命の源である海で出産するつもりだったのではないでしょうか?」
と言う。
話が終わって、前田は、船の中に入ってしまった。Aya も中に入ると、話し声が聞こえてくる。
「残念だが、こいつはもう用なしだな。ま、おまえが記念にでも取っとけよ。」
ウェインと前田が話しているらしい。何のことだがよく分からないが、ウェインも署から駆けつけてくれたみたいだ。
前田は、こういう油くさいところは苦手だといって外に出てしまった。Aya もウェインと少し話をして外に出る。
前田とダニエルと3人で話していると、軍の人たちがやってきた。ねぎらいの言葉をかけれている最中に、空気がゆれるのを感じた。この感じは。。。
前田が言う。「あの巨大生物は…完全体を育てるための子宮!?」
その通りだった。巨大生物が溶けた跡から、泣きながら小さな生物が出てきたのだ。しかも、そいつが出てきたとたんに、近くを走っていた戦艦が急に爆発した。間違いない。そいつが完全体なのだ。
あの爆発は、ミトコンドリアの熱エネルギー生産を促す力がケタ違いなためらしい。
発火ではなく…爆発を引き起こすほど。
パイロットが脱出をうながしに来た。
しかし、Aya は???ここに残って完全体と決着をつけることを望んだ。そんな Aya を見て、前田は何か渡そうとしたが今まで変なものを渡していた前田のことなので、ダニエルがそれを止めて引き上げようとする。
そんな2人に Aya が声をかける。
「あなた達も、逃げて!私も…、生きるために、ここに残るのだから…!」

Carrier2
1人甲板に残った Aya の元に、完全体が現れた。まだ、産まれたばかりだからか、見た目も赤ん坊で、動きもまだぎこちない。
だが、先ほどの爆発を起こしたのは、この完全体。絶対に負けるわけにはいかない。
Aya は、拳銃を完全体に向けながら、叫んだ。
「おまえが、生き残るか…私が生き残るか…それが…答え…!!」
正直、Aya はあっけなく感じていた。どんなに激しい闘いになるかと思っていたが、完全体は時折、衝撃波と炎を発するだけであとは空中に浮いているだけ。闘いは終始 Aya が優勢だった。
だが、完全体は突如、地面にぱたと落ちたかと思ったら爆発とともに光を放ち始めた。
そして、その次の瞬間、完全体は赤ん坊の姿ではなくなっていた。
Aya は思わず声をあげた。
「せ、成長している!?」
第二段階の完全体は強かった。最初は光線を放ってくるだけだったので、 Aya もなんとかしのいでいたが、そのうち完全体が2体に分かれて襲ってきたのだ。
2体に翻弄されながらもなんとか Aya は闘い、何とか1体を倒し、もう1体にもかなりのダメージを与えた時だった。
信じられないことに、完全体はさらに成長したのだ。Aya は後ずさりながら叫んだ。
「これが…成体!?」
成体の完全体は確かに、Eve とは比べものにならないくらい、強かった。一撃でかなりのダメージを Aya に与えてくる。それでも、Aya は闘った。
だが、完全体はそれでもまだ完全ではなかったのだ。
「ま、まだ成長…いいえ、進化するっていうの!?」
さらに進化した完全体には、Aya はどうすることも出来なかった。どんなに弾を撃ちこんでも、ダメージを与えることが出来ないのだ。
そんな様子をヘリコプターから見ていた前田がつぶやく。
「これを Aya さんに渡せれば…!」
ダニエルがそれは何だと尋ねると、前田が答えた。
「Aya さんの細胞の入った弾丸です。」
そう、前田はさっきそれを Aya に渡そうとしてダニエルに止められてしまったのだった。
でも、もう、それを Aya に渡すことは出来ない…。
だが、ここでダニエルは前田から弾丸を奪い取ると、ヘリコプターの扉を開け、外に飛び出した。
Aya 目指して落下したが、完全体の影響で、ダニエルの体が燃え始めた。だが、ダニエルはそれでも Aya に弾丸を投げつけ、その後海に落下した。
Aya は早速、その弾丸を前田にもらった銃に込めて、完全体と闘った。
勝負はあっという間だった。前田にもらったその弾はすごい威力で完全体をすんなり倒すことが出来た。
だが、それでも完全体を完全に倒すことは出来なかったのだ。完全体は傷つきながらも、動こうとしていた。 Aya は艦内に何か無いかと考え、艦内に入っていった。そして、その後を完全体が追ってきた…。
艦内の見取り図を見て、Aya が注目したのはエンジンルームだった。とにかく、エンジンルームまでたどり着くこと。Aya は必死で走った。だが、完全体はしつこく追ってくる。
エンジンルームに着いた Aya は、ボイラーが、出力の臨界点を越えれば、この船ごと爆破できると考えた。そして、ボイラーの作業が終わったとたん、完全体がエンジンルームに現れる。
Aya は完全体に言い放った。
「ここが…どこだか、わかる…?地獄の釜の中よ…!」
途端に、艦内が警報のサイレンで響き渡る。
また、追いかけっこが始まった。あとは、この艦内を Aya が脱出すればいいだけ。そして、間一髪だったが、爆発の前に Aya だけが、この船を脱出することが出来た。
Aya が船から海に飛びこんだ瞬間に、ボイラーが爆発をして船全体があっという間に爆発した。
Aya は、そんな光景を海から見ていた…。

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