DAY5

DAY5·解放

Sewer2-Subway
またしても、単独行動になった Aya はまず、チャイナタウンに向かった。
普段はにぎわっているであろうこの街も住民が避難していてやけに静かだ。
街の奥の方に行くと、マンホールの側でうずくまっている前田がいた。
何が腐ったようなものが見えると、前田が言う。腐ったもの…。とにかく調べてみなければ。 Aya は前田にダニエルに連絡するように告げてマンホールの中に入っていった。
マンホールの下の下水道は、ひどく入り組んでいて迷路のようだ。どこを歩いているのか分からなくなってしまう。それでも、くまなく歩いているうちに、どうやら今までと違う場所にたどり着いたようだ。
大きな水の音がする。どうやら、ここに下水道の水が集まってくるらしい。上に登るはしごがあった。これで別の場所に行けそうだ。
はしごを上って先に進むと、異様な音が聞こえてきた。よくよくあたりを見ると、いたるところに赤いものくっついている。
これは…もしかして、セントラル?パークの観客たち!?
驚いている Aya の前で、スライムたちは何かの意志を持ったように一つに固まり、水の中に落ちていった。
あの、スライムたちはこんなところで何をしていたのか、そしてどこに行ったのか。
スライムたちの後を追いかけるには、まずこの貯水池の水をどうにかしなくては。
多分、どこかに制御室があって、そこでポンプが操作できるはず…。
制御室は階段のすぐ上にあった。制御盤の主電源を入れ、ポンプ2つを作動させると、貯水池の水はきれいになくなり、その拍子にスライムたちも下水道に流されてしまった。しかし、水がなくなったおかげで先に進める。Aya は主電源をきり、制御室の扉から先に進むことにした。
制御室の扉の先は、地下鉄につながっていた。地上に出られそうな扉もあったが、鍵がかかってて使えない。Aya は、とにかく線路の上を通って先に進んだ。
2本の線路が交差するところで大きなムカデに襲われた。そのムカデを倒して先に進むと、トンネルをぬけて橋の上に出た。
人が倒れている。その人の側を調べていると、鍵を見つけた。どうやら、さっきの扉の鍵らしい。これで、地上に戻れる。
橋の上から確認する。観客たちが消えた方向は…博物館だ!
ということは、Eve はもうそこにいるのだろうか。スライムたちは Eve のもとに行ったのだろうか。
いやな予感がする。
Aya は急いで地上に向かった。

Museum1
急いで博物館に向かった Aya。中に入ると、博士の研究室のある2階への階段の入り口には鍵が掛けられている。と、部屋の左にある扉から誰かが見えた気がした。
やけに白っぽいものだったような…。そっちの部屋は、まだ行ったことない。とにかく、追いかけてみよう。
隣の部屋は、恐竜の化石がたくさん飾ってあった。さすがに、今恐竜展をやっているだけのことはある。
次の部屋もその次の部屋も恐竜だらけ。さっきの人影は一体なんだったのか。とにかく先を進む Aya の目の前で、扉に鍵を掛けて次の部屋に進む人影が見えた。あの人影は…間違いない、クランプ博士だ!
追いかけよう、と思った瞬間、敵が襲いかかってきた。今まで敵なんて出てこなかったのに。クランプ博士…絶対に怪しい。
出てきた敵をやっつけて、クランプ博士の後を追おうとしたが、鍵を掛けられているので当然先に進めない。しかたない、他を当たってみよう。
それにしても、さっきの恐竜を皮切りに、博物館のあちこちに恐竜が出てくるようになった。クランプ博士が扉の向こうに行った瞬間に…。すごく、あやしい。
さっき入った扉の隣の扉の部屋に入ってみた。部屋の中央には、大きな恐竜の化石が飾ってある。今にも動きそうだが、とりあえず変化はない。
この部屋では何も起こらないようなので、まだ行ったことのない博物館の奥へ行ってみることにする。
奥に進むと、いきなり植物が生えている。建物の中なのに…。
不思議に思いながらもとにかく先に進む Aya。と、目の前に階段が現れた。が、通路はまだ先へと続いている。とりあえず通路の奥に行ってみよう。
通路の奥の部屋には大きな顔の石像がいくつも並んでいた。だが、これといって何もない。こんなところにいないで、先に進もう、そう思って Aya がその部屋を出ようとした瞬間、その石像が飛び散り、いきなり敵が襲ってきた。
何がおこったのかよく分からないままとりあえず敵を倒す。そして、さっきの階段で2階へと向かった。
2階は細長い通路になっていて、その両隣に展示品が飾ってあった。その先は、非難用のはしごにつながっていて、どうやらそこから1階と3階へ行けるようだ。Aya は3階へ向かうことにした。
3階の通路には、どうやら人類の進化の歴史を表しているのだろう、サルからヒトへと変わる過程が模型を使って表してあった。この通路を過ぎた辺りから、やけに大きな敵が増えたような気がする。何かが起こる前触れなんだろうか…。
ある部屋に入った時、いきなりドアの鍵を閉められてしまった。慌ててドアを開けようとしたが、既に遅くドアを開けることはできなかった。やはり、クランプ博士が…。
幸い、吹き抜け部分の方のガラスが割れていたので、そこから部屋の外に出られそうだ。
外に出ると、Aya が今いた部屋の下の部屋のガラスも割れている。他に行けそうな場所はない。 Aya は覚悟を決めて飛び降りることにした。

Museum2
飛び降りた先の部屋には扉が2つあり、1つには鍵がかかっていた。しかたなくあいている方のドアから外にでると、そこは広い廊下だった。近くの階段には鍵がかかっていて、先に進めそうにない。Aya は唯一行くことのできる細い廊下を歩いていった。
長い廊下を抜けると、セキュリティシステムのある部屋にでた。部屋にあるディスプレイには、博物館の中の映像が映されている。部屋は無人だ。と、その中のひとつの映像に目を奪われた。 Eve だ。Eve が写っている。どいうやらこの映像は最上階らしい。映像を見る限り、もう完全体が生まれそうな感じだ。急がなくては。
急いでセキュリティシステムの解除スイッチを押した。これで、今まで行けなかったところも行けるようになるだろう。
この部屋を出たとたん、Aya は異変を感じた。まるで、この時を待っていたかのように、Eve の歌声が聞こえてくる。すると、どこからともなくあのスライムたちがやってきて、1階に飾ってあった恐竜の化石を覆いはじめた。恐竜は、小刻みにゆれはじめ、とうとう動き出してしまった。
よりによって、あんな物を復活させるなんて…。戸惑いながらも、Aya はその場に向かった。
向かう途中で、クランプ博士の研究室のドアが開いているのに気付いた。さっきはいなかったはずなのに、今は人の気配がする。クランプ博士かもしれない、Aya がそう思って中を見ると、中にいたのは、なんと前田だった。「どうしても調べたいことがある」前田はそう言った。途中まではダニエルも来たらしい。だが、ダニエルも調べごとで、病院の方へ行ったそうだ。
前田は、他にもウェインに頼んで作ってもらった銃を持ってきた。Eve に支配された生物や、Eve にも効果があるらしい。その名も「マエダガン」。どうでもいいけど、もっと格好いい名前にはできなかったんだろうか。
それか前田は分かった事をいろいろ話してくれた。この部屋にあるディープ?フリーザーには Maya というラベルの貼られた血清チューブがあったこと、さらにその研究コードは "Eve" になっていたこと。また、クランプ博士は、精子に含まれるミトコンドリアの DNA を取り除き、パラサイトのない、純粋な核のみの遺伝子を持つ精子を作る研究をしていたこと。そして、その人工精子を聖フランシス病院の精子バンクへ移し、人工精子を希望する人に受精させ臨床実験を行っていたこと。
そこまで話した時に、クランプ博士が部屋の中に入ってきた。思わず銃を向け、「人間として許せることじゃない。」と言った Aya に対し、クランプ博士は「君が人間と言えるのかね?」と返す。言い争いをしているうちに、ダニエルがやってきてクランプ博士を殴り倒してくれた。どさっと倒れるクランプ博士。しかし、すぐに気付いた。
気がついたクランプ博士に、Aya は本当の目的を尋ねる。すると、「完全なるミトコンドリアの誕生だ」と答えた。ミトコンドリアは母系の遺伝だが、父方の遺伝子も少しだけ影響するらしい。日本での Eve はそれで失敗したそうだ。それで、今まで人工精子の研究をしてきたのだ、と。そして…。「実験は成功し、Eve はメリッサの体を借りて受精に成功し、妊娠中だ」と…。
急いで Eve のもとへ行こうとした3人に、クランプ博士はいきなり Eve に「もういいぞ!」と言い出した。発火だ、と思った Aya は前田とダニエルに逃げるように言い、2人はすぐに逃げたが、クランプ博士は日火に包まれて倒れてしまった。
こんな、こんな自分を犠牲にしてまで、クランプ博士は何をしたかったのか。Aya には全然分からなかった。でも、もう本当に急がなくては。急がないと、完全体が生まれてしまう。 Aya は、クランプ博士から鍵を入手して、その部屋を後にした。
今、手に入れた鍵でさっき鍵がかかって進めなかった部屋に向かう。鍵を使って先に進むと部屋に飾ってあった恐竜の化石がいきなり動いて襲いかかってきた。そうか、これがさっきスライムたちがやったことなのか…。
恐竜を倒して、先に進もうとしたした瞬間、倒したはずの恐竜が動き出し、Aya は恐竜もろとも窓ガラスを割って、下の階に落ちてしまった。だが、生きている。体が、熱い…。上を見ると、別の恐竜が Aya めがけて降ってくる。
なんとか恐竜を倒し、Eve のもとにたどり着いた。Aya は Eve に聞いてみた。「完全体を出産してどうするつもり?」しかし、Eve の答えは「人間は、どうして子を産むのか、という問いに答えられるのか?」だった。こうなったら力ずくで阻止するしかない。しかし、Eve が合図をしたとたん、ニューヨーク中のマンホールからスライムが飛び出し、人の形を成し、Eve をつかんで去っていってしまった。Aya は、それをただ見守るしかなかった…。

Carrier
帰りの車の中、ダニエルが調べてきたことを教えてくれた。メリッサの飲んでた薬は免疫抑制剤だったこと、メリッサは幼いころ、腎臓を移植したらしい。それも、Maya の。どうやら、Aya の母親と Maya はドナー登録をしていたらしい。その移植手術に立ち会ったのが、当時インターンだったクランプ博士。そして、Maya の腎臓を手にした医者たちはみな「熱い!」と言ったこと…。
ようするに、Eve はもともとは、Maya の方にいたのだ。日本でも、Eve は宿主の肉体を脳死状態にして肝臓を培養させ、Eve 自身の肉体を手に入れたのだった。メリッサは、免疫抑制剤を飲みつづけた結果、Eve に肉体のコントロールを奪われたのだ。
そのころ、海軍が動き出していた。連絡を受けた Aya たちは、車を止めてその様子を見ていた。すると、前田が「あの巨大生物は Eve の出産場所だ」と言い出した。完全体を身ごもった母体を外敵から守る護衛を兼ねているのだと。近づくヘリコプターはみんな爆発してしまった。
と、近づいてくるヘリコプターがあった。空母まで、同行して欲しいということだ。空母につくと、連れてこられた説明をされた。あの巨大生物に射程距離の短い時限式弾を、唯一発火しない人間である Aya に発射してもらいたいそうだ。
危険だ。だが、Aya は引き受けた。
自動操縦のヘリコプターに乗って、Aya は巨大生物のもとへ向かった。周りには他のヘリコプターも一緒だ。しかし、射程距離に近づいたとたん、他の機は Aya の機を守るかのように一直線に並んだ。初めから、盾になる気だったんだ…。他の機はどんどん爆発していく。 Aya は思いを込めて、弾を巨大生物に撃ちこんだ。
しかし、まだ終わってはいない。Eve はまだ生きている。決着をつけなくては。Aya は、空母との連絡を絶ちきり、ヘリコプターから飛び降りた。
Eve は、「人間は、我々ミトコンドリアのために生かされてきたのだ。」と言った。しかし、 Aya はそんなことを許すことはできない。
激戦の末、Aya は勝った。
「ミトコンドリアの中にも、違う進化を望んだものがいたのよ…」

回到页首